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〈厚生労働省〉
介護事業経営調査委員会、令和4年度概況調査などを報告
JS-Weekly No.865
#介護報酬見直し #介護概況調査 #介護実態調査
厚生労働省は2月1日、社会保障審議会介護給付費分科会の「第36回介護事業経営調査委員会」を開催し、「令和4年度の介護事業経営概況調査の結果」と「令和5年度介護事業経営実態調査の実施について」を報告した。
令和3年度の介護サービス全体の収支差率はプラス3.0%も収益率は悪化
「介護事業経営概況調査」は、介護保険制度や介護報酬の⾒直しの際の基礎資料となるもので、介護報酬改定前後2年分の収支状況について調査し、改定の影響を調べる。
令和4年度調査では、全国1万6830事業所のうち、8123事業所の回答を得た。
それによると、令和3年度の介護保険サービス事業所等の税引き前の収支差率(新型コロナ関連の補助金含む)は平均3.0%の黒字で、前年度より0.9ポイント下がった。令和3年度の介護報酬は0.7%のプラス改定だが、23種類の介護サービスのうち17種類のサービスで収支差率が下がっている。厚生労働省は、収入を上回る人件費の伸びなどが影響したと説明している。
サービス類型別にみると、最も収支差率が低かったのは「通所リハビリテーション」で0.5%、前年度よりも収支差率の落ち込みが最も大きかったのは「認知症対応型通所介護」で、前年度より4.9ポイント下がって4.4%だった。
介護保険施設の令和3年度収支差率など
施設 | 収支差率 | 前年度比増減 | 給与費の割合 |
---|---|---|---|
介護医療院 | 5.8% | △1.2ポイント | 59.4% |
介護療養型医療施設※ | 0.6% | △9.1ポイント | 61.0% |
介護老人保健施設 | 1.9% | △0.9ポイント | 62.0% |
介護老人福祉施設 | 1.3% | △0.3ポイント | 64.2% |
※集計施設・事業所数が少なく、集計結果に個々のデータが大きく影響していると考えられるため、参考値として公表している。
令和5年度の介護実態調査は5月開始へ
「介護事業経営実態調査」は、介護報酬2年目の1年分の決算額を調査するもので、介護事業経営概況調査と同様、介護保険制度や介護報酬の⾒直しの際の基礎資料となる。
厚⽣労働省は、令和5年度調査を介護療養型医療施設を除く全ての介護保険サービスを対象に令和5年5月に実施し、10月頃に委員会に報告する見通しを示した。
調査項目は令和4年度の介護事業経営概況調査の内容を踏襲するが、次のような内容を追加する。
- 新型コロナウイルス感染症の影響に関する項目→施設内療養に関する補助金についての調査項目を追加
- 物価⾼騰対策に関する項目→電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金の金額を記載
- 介護職員処遇改善補助⾦に関する項目
- 特別損益に関する項目→「本部から事業所への繰⼊」に関する調査項⽬を追加、役員報酬や退職⾦⼿当などの法⼈本部の運営費を記⼊すべき旨を明記