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第84回理事会開催。代議員等の選出に関する課題を整理 組織改革に向けて今後の進め方を確認 ほか

2022.10 老施協 MONTHLY

第84回理事会開催。代議員等の選出に関する課題を整理
組織改革に向けて今後の進め方を確認

POINT

  1. 組織改革の課題、代議員等の選出に係る制度の本格的検討に着手
  2. 代議員等の選出に係る制度検討特別委員会を設置。委員を選任

 全国老施協は9月7日、第84回理事会を開催した。理事総数25名に対し、出席22名、欠席3名で定足数(過半数)に達し、成立した。

 平石朗会長は開会に先立ち、「新型コロナの第7波の影響で、各施設での感染者が増加し、入院ができずに施設療養となるケースが多い。現場の職員は、緊張を強いられ疲弊感が続く毎日となっている。幸いにも9月に入り、新規感染者は減少傾向にあるようだが、まだ油断はできない。政府もさまざまな対策を講じているが、一日も早く状況が改善することを願いたい」と、新型コロナウイルス感染症患者の施設療養や物価高騰対策など、絶え間のない会員施設の苦労を案じた。

 今回提出された4議案は全て可決承認された。

第1号議案:重要な契約の締結について
  1. 税理士・社会保険労務士業務の委託契約について
     現在2社に分かれている委託先を1社にまとめることによる費用削減や事務の効率化、税理士業務において相談助言業務を加えるなどを狙いとして3社見積りを行った結果、委託先を東京会計グループに決定。契約期間は、令和5年2月1日から令和7年3月31日とする(仕訳データ登録作業は令和5年4月1日から)。
  2. 法律顧問契約等の更新について
     法律顧問契約はあさひ法律事務所、公益通報等受付窓口業務委託契約はノイエスト総合法律事務所、共に現在の委託先と同様の内容で契約更新を行う。
第2号議案:入会の承認について

 入会数は、再入会4件を含む23件、退会数は22件

施設系 居宅系 合計
うち再入会 うち再入会 うち再入会
入会 22 4 1 0 23 4
退会 4 18 22
総数 6602 会員 4175 会員 1万777 会員

 再入会については、全国老施協の活動が評価された結果と見られる。退会については22件中18件が居宅系であることからデイサービスの競争激化による経営状況の悪化が原因ではないかとの意見があった。

第3号議案:諸規程の制定及び変更(案)について

 「代議員等の選出に係る制度検討特別委員会」の設置に伴い、委員会等規程を改定し、代議員等の選出に係る制度検討特別委員会規程を制定する。

第4号議案:代議員等の選出に係る制度検討特別委員会委員の選出について

 この特別委員会は、代議員選挙の時期や、代議員・内部理事の選任におけるいわゆる法人内全施設加入要件の見直しなど、これまで検討が続けられてきたが、なかなか議論が煮詰まらなかった重要案件について、このたび、最終的な成案を得るために外部有識者を含めて本格的に検討することを目的として設置するもの。

 委員会のメンバーおよび役職は次の通り。任期は令和4年9月7日から、令和5年6月開催予定の定時総会終結までとする。

役職 氏名
委員長 平石朗(会長)
副委員長 北條憲一(専務理事)
委員 若山宏(副会長(総務・組織委員会担当))
委員 金井正人(外部理事)
委員 船橋茂紀(弁護士(ノイエスト総合法律事務所))

 代議員等の選出に係る制度については、まず、事務局から様式を送付し、各ブロック協議会へのアンケートを実施し意見を求める。10月末ごろをめどに取りまとめた上で、各ブロック単位で各都道府県老施協等の会長の意見を聞き、その結果を踏まえた丁寧な検討を「代議員等の選出に係る制度検討特別委員会」で行う。その成案に基づき、年末の理事会で方針を決定する予定となっている。年度末には次回の代議員選挙が控えており、その際には、任期延長などについての議論も決定している必要がある。


第6回正副会長・委員長会議(拡大)を開催
事業計画・予算編成のスケジュールを確認・共有

POINT

  1. 今後の事業計画・予算編成に向けた流れを職員全員で共有
  2. 個人情報保護法における個人情報保護について考える

 全国老施協は9月14日、「第6回正副会長・委員長会議(拡大)」を開催した。開会にあたり、平石朗会長は新型コロナウイルスの感染状況に触れ、「油断せず感染予防を続けてほしい」と呼び掛けた。続いて事務局から、令和4年度上期事業評価と令和5年度事業計画・予算編成についての説明があった。

 この日はノイエスト総合法律事務所の弁護士・船橋茂紀氏によるコンプライアンスセミナー 「個人情報保護等」を視聴。改正を含めた個人情報保護法の内容の説明があり、故意や過失による情報漏えいなどについて、実際の漏えい事案を交え改めて注意を喚起した。

経営戦略室 アプリのダウンロード数は9月12日時点で7100件
特別養護老人ホーム部会 「小規模特養の経営状況に関するアンケート調査」および「令和3年度(決算分)収支状況等調査」について、調査協力を要請
デイサービスセンター部会 要介護1・2の方へのサービスの地域支援事業への移行反対の内容を協議
介護人材対策委員会 ケアニンの新たな分野への普及啓発、介護の日のイベントサポートなど検討
ロボット・ICT推進委員会 全国老施協版介護ICT実証モデル事業の報告書の内容などについて検討。10月のオンラインセミナーで成果を発信。補助金申請は8月から開始
研修委員会 「施設入所・退所時の事務手続等対応研修」を9月12日〜12月12日にオンデマンド配信
老施協総研運営委員会 公募調査研究助成事業第2次募集の一次審査、二次審査を実施
大会・フォーラム委員会 全国老人福祉施設大会・研究会議の1日目全体会のプログラムを再検討、令和5年度は岐阜県で開催
21世紀委員会 カントリーミーティング開催要項、代表者会議の進捗状況を報告

全国老施協版介護ICT実証モデル事業
介護現場の生産性向上等の取り組みの展開

POINT

  1. 業務改善・生産性向上の効果を最大限にするモデルの探索・取りまとめ
  2. 導入前と導入後タイムスタディ+定量調査で業務量等を比較検証

 全国老施協が令和3年11月からスタートした、「全国老施協版介護ITC実証モデル事業」は予定された工程を終え、報告書(案)が作成された。

 各モデル施設では、「見守り機器」と「介護記録システム」、インカムや音声自動記録システムなどの「ICT機器・ツール」を選定基準に基づいて導入し、その活用・定着に向け、PDCAサイクルを取り入れ、実証を進めてきた。報告書では、方針策定から選定、導入、活用・定着までの各ステップについて、モデル施設の事例をあげて、ポイントをまとめている。

 機器等の導入効果として認められたのは次の3点。

  1. 訪室タイミングの最適化
    見守り機器によって居室内の状況を把握し、訪室の優先度や要否が判断できる。
  2. 介護記録業務効率化・情報共有の質向上
    効率化によって内容の充実が期待できる。職員間の連携促進。
  3. 個別ケア促進
    データ分析がケアの検討につながる。

実証モデル事業のオンラインセミナー動画


全国老施協、デイサービス事業継続等相談支援事業
第3回集団コンサル&ワークを開催

POINT

  1. 優先課題の順位をつけるには、経営側と現場との対話が不可欠
  2. アクションを起こせるよう、策定した経営改善計画を職員同士で共有

 全国⽼施協デイサービス部会は9⽉14⽇、デイサービス事業継続等相談⽀援事業(オンライン)第3回を開催した。同事業は、何らかの改善が必要と考えるデイサービス事業所が、株式会社TRAPE(トラピ)の指導による全6回のコンサルティング(集団指導⽅式)と個別相談を経て、経営改善計画の策定〜成果創出を目指すというもの。講義とワーク(シート作成やオンラインでのグループディスカッション)を行う。

 これまでは外部環境や経営視点、VMV(ビジョン・ミッション・バリュー)やチームの重要性、因果関係や経営指標を理解してきた。また、組織の内側の情報整理・解釈しながら「介護経営における因果関係図」を作成し、課題に優先順位をつけてきた。

 第3回は、因果関係図から絞り込んだ優先課題について、個別課題や理由・背景を基にブラッシュアップ。次に、優先課題の原因を具体的にピックアップし、さらに段階的に分析。原因を深掘りしていくことで、具体的に解決すべき真の原因を明らかにしていった。

 参加者は、終盤では目指す成果のストーリーをイメージ。次回までに因果関係図と優先課題を基に最終的な経営改善成果に結び付くまでのストーリーを完成させ、第4回「目標設定」に臨む。


第3回総務・組織委員会を開催
入会促進や代議員選挙の実施に係る課題などを検討

POINT

  1. 本会会員、賛助会員の入会促進について、有効な方策を検討
  2. 組織改革に向け、代議員選挙の実施に係る課題を整理、検討

 8⽉30⽇には、4つの議題について検討された

(1)入会促進に係る取り組み

 令和4年度の入退会状況は次の通り(8月1日現在)。退会のうち、「合併・廃止」によるものが53件であった。

 今後の取り組みは、入会促進重点地域(8県都市)の老施協と合わせて本会の入会勧奨を行う、本会HPの閲覧マニュアルを作り、入会メリットのアピールを行う、各地域の老施協総会などで本会事業の説明を行うなどの方策が検討されている。

(2)賛助会員の入会状況(7月11日募集開始)

 8月24日現在の申し込み件数…14件(法人13、個人1)

(3)第2回2035の会(テレビ会議方式)

 10月中旬に、経過報告と意見交換を行う。

(4)代議員選挙の実施に係る課題の整理

 指摘されている基準で手続に係る課題(①信任投票の必要性、②第1号代議員の定数の基準、③正会員50人未満の選挙区の選挙方法、④直接入会会員の選挙権・被選挙権、⑤退会予定会員の選挙権、⑥実施時期、⑦予備代議員の選任基準)、代議員選任における法人内全施設加入要件の見直し、記名投票の在り方等の課題を整理し、組織改革に向け今後法人全体で検討していくことを報告した。


取材・文=太田瑞穂・見田裕一・早坂美佐緒(東京コア)