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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

介護分野の文書負担軽減の取り組みについて取りまとめに入る

JS-Weekly No.849

#介護文書負担軽減 #標準様式 #ICT #法令上の措置

介護文書負担軽減の方向性、標準様式の標準化やICT化を明記

 厚生労働省は9月29日、「第12回社会保障審議会介護保険部会介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」を開催し、取りまとめの骨子案を示した。

 骨子案は次の通り。

  • 国が定める標準様式例の使用による標準化
  • 専用の窓口による簡素化・利便性向上
  • 電子申請・届出システムの利用によるICT化
  • 地域による独自ルールの明確化による簡素化・標準化

 今後本委員会ではこれまで数年間にわたって検討してきた介護分野における文書負担軽減について、取りまとめに向けた議論を行うことになる。

全国老施協では、国が定める標準様式例の使用による標準化や専用の窓口による簡素化・利便性向上などについて意見

 全国老施協から出席した小泉副会長は、各骨子案について概ね賛成とし以下の4点について意見を述べた。

  1. 国が定める標準様式例の使用による標準化について、標準様式例の使用を基本原則化すべきであること。
  2. 専用の窓口による簡素化・利便性向上について、データでのやりとりを基本とし、受け取ったあとの処理の合理化ができるようなシステム作りが必要。事故報告についてもデータでのやりとりとし、集計処理を行い、介護事故の傾向や状況分析が必要であること。
  3. 電子申請・届出システムについて、文書の提出は電子メールか電子申請届出システムによるものが望ましいが、自動で受領通知が送られる機能を検討してほしい。
  4. 現況報告書やLIFEなど事業者にとって使いにくいシステムについては一定の時期をもってシステム改修が必要。できる限り提出文書は簡略化、不必要なものはできるだけ求めないようにしてほしい。

法令上の措置で標準様式や電子申請の使用を基本原則に

 これまで指定申請、報酬請求、実地指導の提出書類について、国が示した標準様式例をホームページで公開している。しかし、どの程度浸透しているかが不明瞭、周知が十分ではないなどの意見もあり、厚生労働省では、実態調査やガイドライン作成などで周知することを提案した。さらに、介護保険法施行規則と告示に明記し、使用を基本原則化とする方向性を示した。

 令和4年度下期から運用開始予定の「電子申請・届出システム」についても、早期の利用を進めるため、介護保険法施行規則に明記し、使用について法的拘束力を持たせるとした。

 これらの方向性について、委員からは大筋で了承を得た。

 10月27日開催予定の委員会では取りまとめ案を示す。今後、厚労省では、法律の改正案の細部を詰め、書類の標準様式については、今年度中に法令上の措置を講じる予定。電子申請・届出システムの法令上の措置については、スケジュールも含め調整していく。

参考資料