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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

第98回社会保障審議会介護保険部会「給付と負担」の検討を開始

JS-Weekly No.848

#制度継続 #骨太の方針 #負担増

小泉副会長が要介護1・2の人の訪問介護と通所介護の地域支援事業への移行に強く反対

 厚⽣労働省は9月26⽇の社会保障審議会介護保険部会で、「⾻太⽅針2022」などを踏まえ、介護保険での給付と負担に関するこれまでの指摘事項を整理し、検討を始めた。主な論点は次の7つ。

  1. 被保険者や受給権者の範囲(40歳未満への介護保険適用、受給者の年齢引き上げなど)
  2. 低所得の介護保険施設⼊所者への⾷費・居住費の補助(補⾜給付)に関する給付の在り⽅
  3. 多床室の室料負担(保険給付の対象外とするなど)
  4. ケアマネジメントに関する給付の在り⽅(利用者負担の導入など)
  5. 要介護1・2と認定された軽度者への⽣活援助サービスに関する給付の在り⽅
  6. 「現役並み所得」「⼀定以上所得」の判断基準(2割・3割負担者層の拡大)
  7. 福祉⽤具貸与の⾒直し(貸与と販売に関する給付の在り方など)

 全国老施協から出席した小泉副会長は、要介護1・2の人への訪問介護と通所介護を地域支援事業へ移行するという考えに対し、反対意見を述べた。在宅生活を継続するためには、要介護1・2の段階での適切なケアが必須だが、地域支援事業受託者の力量は未知数であり、移行による在宅ケアの質や量の低下につながる。その論拠として、財政審などでは「地域支援事業への移行により、多様なサービスによる効率的・効果的なサービス提供が可能になる」としているが、「多様なサービス」は地域で充実していない点を指摘した。同様に、複数の委員から移行に反対する意見が挙がった。

 介護保険制度自体を維持していく方策として検討されている被保険者の拡大や原則2割負担などについても、現役世代の負担が限界に来ているとはいえ、「若年者の納得が必要かつ重要」「データ・エビデンスに基づいて議論をすべき」など、慎重な検討を求める声が相次いだ。

 同部会では、10月下旬にこのテーマで再度議論が行われ、年末の意見取りまとめに向け、検討を重ねていく。

参考資料①
参考資料②