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速報(JS-Weekly)

質問票と基本チェックリストの併用で将来の要介護認定リスクが特に高い人を抽出可能

#後期高齢者の質問票 #基本チェックリスト

▶後期高齢者の地域住民データを分析・研究

 東京都健康長寿医療センター研究所の福祉と生活ケア研究チーム(医療・介護システム研究)と自立促進と精神保健研究チーム(認知症・精神保健研究)は2月12日、後期高齢者健診で一般的に用いられる「後期高齢者の質問票」と、二次介護予防事業の対象者抽出に用いられる「基本チェックリスト」の両者に回答した地域住民のデータを分析し、両方のツールでリスクがあると判定された者では、どちらのツールでもリスクがないと判定された者と比較し、新たに要介護認定を受けるリスクが高いことを明らかにしたことを公表した。

 後期高齢者を対象とした健康診査(後期高齢者健診)では、多くの自治体において後期高齢者の質問票を用いたフレイルのスクリーニングを行っており、後期高齢者の質問票のフレイル関連12項目において「健康リスクあり」の回答が4項目以上認められるとフレイルが疑われることになる。一方、介護保険による二次介護予防事業では、基本チェックリストを用いて事業の対象者を抽出しており、二次介護予防事業の対象者は将来の要介護認定のリスクが高いことが知られている。しかし、両方のツールの判定を組み合わせた場合、要介護認定の発生リスクが特に高い者を抽出できるかについては、これまで検討されていなかった。そこで本研究では、後期高齢者の質問票によるフレイル疑いの有無と、基本チェックリストによる二次予防事業対象の有無の組み合わせが、要介護認定の新規発生と関連するかを検討した。

 研究は、東京都千代田区から提供を受けた国保データベースと、同区の郵送調査(こころとからだのすこやかチェック)の回答データを連結し、後ろ向きコホート研究によって実施された。分析対象者は527人(平均年齢80.6歳、男性41.9%)で、結果として追跡期間1,013.5人年の間における新規要介護認定者は50人(9.5%)。新規要介護認定の発生率(千人年あたり)は、「フレイル疑いなし/二次予防事業なし群」で33.1と最も低く、「フレイル疑いあり/二次予防事業あり群」で85.7と最も高くなった。性別、年齢、居住状況、教育歴、既往歴で調整後、「フレイル疑いあり/二次予防事業あり群」では「フレイル疑いなし/二次予防事業なし群」と比較して、新規要介護認定のリスクが2.55倍高いことが示された。

 本研究の結果から、後期高齢者健診で「後期高齢者の質問票」によりフレイル疑いと判定された者に対して「基本チェックリスト」を追加で実施すること、新規要介護認定の発生リスクが特に高い後期高齢者をより効果的に抽出できることが期待される。

 

(参考資料:https://www.tmghig.jp/research/release/2026/0212.html