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速報(JS-Weekly)
アルツハイマー病の原因物質を除去するミクログリアの新規活性化機構を発見
#アルツハイマー病 #原因物質
▶世界初、今後の新規治療法への活用に期待
東京大学大学院薬学系研究科の研究グループ、慶應義塾大学、新潟大学、東京都健康長寿医療センター、名古屋市立大学、理化学研究所、東北大学は11月20日、共同研究により脳内免疫細胞であるミクログリアに特異的に発現するGタンパク質共役型受容体GPR34を活性化することで、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβ線維の貪食が促進されることを発見したことを発表した。
アルツハイマー病では、脳内に蓄積したアミロイドβをミクログリアが貪食・除去する機能が重要だが、その制御機構は十分に解明されていない。
本研究では、リゾリン脂質受容体であるGPR34の特異的アゴニスト化合物M1を用いて、マウスおよびヒトiPS細胞由来ミクログリアにおいてアミロイドβ線維の貪食が選択的に促進されることを実証した。さらに、アルツハイマー病モデルマウスへのM1投与により、生体内でもアミロイドβ貪食が増加することも確認した。
またアルツハイマー病患者では、ミクログリアのGPR34発現が低下していることを発見し、GPR34の減少が病態進行に関与している可能性を示したことから、本研究成果はGPR34を標的とした新規治療法の開発に貢献することが期待される。
(参考資料:https://www.f.u-tokyo.ac.jp/topics.html?key=1763600447)