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第129回 社保審・介護保険部会が開催される
#社会保障審議会第129回介護保険部会
▶山田副会長、介護保険制度の諸課題や持続可能性の確保について意見
厚生労働省は11月20日、社会保障審議会第129回介護保険部会を開催した。
議題は以下のとおり。
【議題】
1.介護保険制度に関するその他の課題
2.持続可能性の確保
3.その他
(1)福祉部会における議論の状況(報告)
(2)福祉人材確保専門委員会における議論の整理(報告)
全国老施協から委員として参加した山田淳子副会長は、議題の各論点に対して以下の発言をした。
議題1.介護保険制度に関するその他の課題
論点① 高齢者虐待防止の推進
特養において、経済的虐待や心理的虐待が増加しているデータが昨年末に示されたことを受けて、全国老施協では、虐待防止体制の組織的な強化と質の高いケアの提供のための高い倫理観を身につける継続的な取り組みをしていく。
論点② 介護現場における事故防止の推進
検証、分析、再発防止策等への活用のために、国、都道府県、市町村の役割を明確化し、一元的な情報収集による統一されたアクセスデータベースの構築が有効である。
論点③ 要介護認定等の申請代行
指定基準においてケアマネジャーが配置されている特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護等のサービスについて、ケアマネージャーによる申請代行を可能とすることには賛成するが、ケアマネジャーの業務内容や家族等との十分な情報共有の下、丁寧な運用が必要。
論点⑥ 介護保険にかかる資格喪失時の手続の簡素化
介護保険被保険者証の交付を65歳到達時でなく、要介護認定申請時及び求めがあった場合とすることや、資格喪失時の被保険者証の返還義務等をを無くすことには賛同する。
ただし、40歳到達時の介護保険料の徴収開始や、65歳から介護保険サービスが利用可能となる事について、説明不足による取りこぼしや、利用控えに繋がらないための配慮が重要。
議題2.持続可能性の確保
論点③ 一定以上所得、現役なみ所得の判断基準
2割負担の対象範囲の拡大については、具体的な所得水準が示されていないため意見は差し控えるが、利用控えに繋がらないならないよう慎重な検討が必要である。
また、金融資産を判断要素とすることについては、現行、預貯金等の額は自己申告であること、金融所得課税ですら確定申告をしない人は捕捉できない現状では、かえって不公平を招くのではないか。
論点④ 補足給付に関する給付の在り方
令和3年8月の改正以来、食費の基準費用額は1,445円に据え置かれており、その後の食費の消費者物価指数の推移を見ると、27.1%上昇しており、また、全国老施協の令和7年6月の調査では、利用者一人当たりの食費は1,787.6円という結果となっている。基準費用額とは343円の開きがあり、実勢価格に合わせた見直しが早急に必要である。
論点⑥ ケアマネジメントに係る給付の在り方
ケアマネジャーは、公平・中立が重視されケアマネジメントは、負担を求める介護保険サービスとは異なる考え方があると考えるが、施設サービスは実質的にはケアマネジメント費用を負担しているとも言えること、障害者総合支援法の計画相談支援との整合性など、ケアマネジメントに利用者負担を求めることに関しては、より慎重に検討すべきである。
論点⑦ 軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方
要介護度1,2の方を総合事業に移行することについては、再三意見しているとおり、自立を阻害し重度化を招くおそれがあり、サービス提供体制も不十分であるため、見直しには強く反対する。
論点⑧ 被保険者範囲・受給者範囲
第2号保険者の対象年齢の引き下げについては、介護を必要とするすべての人にサービス給付を行うか、高齢者の介護保険制度を維持するかについて、慎重に検討すべきである。
(参考資料:https://www.roushikyo.or.jp/?p=we-page-menu-1- 2&category=19325&key=21769&type=content&subkey=595386)