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第4回 「あの日に帰りたい?!」

第4回 「あの日に帰りたい?!」

認知症特有の「帰宅願望」は不安感の裏返し。施設であれば、そこが落ち着けて、安心できる場所だと思ってもらえるように、常日頃からご利用者とのコミュニケーションを密にするようにしましょう。また年齢がわからなくなり、バリバリ働いていた頃に戻ってしまうことも多いので、今の居場所に自分の役割があると思ってもらえるように、できることはなるべくやっていただくのも効果的です。それでも帰ろうとする方を、できるだけ穏やかに引き留めるには「気持ちを逸らすこと」。今回のアミちゃんのように、その人が得意にしていることを質問責めにするのもよい方法で、おしゃれな方であれば、まずは装いを褒めて、ファッション談義にまでもっていければ大成功です。
もちろん、そうもいかなければ、施設のまわりを一緒に一周したり、「今日はここに泊まる約束になっている」ことを丁寧に説明したり、とあの手この手が必要になります。大変ではあるけれど、できるだけ本人の意志を尊重することは、認知症の高齢者と共存するためには欠かせない考え方になっています。
ぜひ、2024年5月号「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」も読み返してみてください。
取材・文=池田佳寿子、マンガ=泉沢奈々恵