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感染症対策分科会尾身会長、コロナ第9波が始まっている可能性に言及
JS-Weekly No.884
#新型コロナ #第9波 #ワクチン接種
高齢者を守り、亡くなる人を減らすため、ワクチン追加接種を推奨
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は6月26日、政府の要請で岸田文雄首相と面会し、新型コロナウイルスの感染状況と、中長期的な推移や求められる対策について意見交換を行った。
面会には尾身会長のほか、国立感染症研究所の脇田隆字所長ら感染症の専門家4人が参加した。首相は面会の冒頭で、感染状況が「緩やかな増加傾向」にあるという認識を示し、尾身会長らに対し、現状認識や夏を含む中長期の推移予測、講じるべき対策について意見を求めてきたという。
尾身会長は面会後、記者団の取材に対し、「全国的には感染者数が微増傾向で、第9波が始まっている可能性がある」との認識を示した。また、日本での致死率は今のところ大きく変わっていないとし、新規感染者がどれだけ出るのか注視していく必要があると指摘した。
感染者数の微増は、新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで人と人の接触機会が増えたことが一因だとし、「感染者数がある程度増えることは織り込み済み」だとも説明。その上で「高齢者を守り、亡くなる人を減らすよう注意して社会を回すことが重要」として、自治体などが高齢者施設での感染対策をしっかりやっていくほか、特に高齢者は個人の判断で6回目のワクチン接種を検討してほしいと述べた。
厚生労働省によると、全国約5000の定点医療機関から報告された6月12~18日の1週間の新型コロナの患者数は1医療機関当たり5.60人で、前週比1割増と微増傾向にある。
松野博一官房長官は6月26日の午後の記者会見で、「感染拡大が生じても必要な医療が提供されるよう、幅広い医療機関で新型コロナ患者に対応する医療体制への移行を進めていく」と述べた。また、ワクチン追加接種の呼び掛けを続ける考えも示し、各地域の感染動向を見ながら、自治体や医療関係者と連携し、「先手先手で必要な対応を行っていく」とした。