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〈財務省〉
財政制度等審議会 介護の改革の必要性を強調、介護におけるアウトカム指標の強化などを提言
JS-Weekly No.878
#ICT機器 #人員配置の効率化
人材確保に限界がある中で、ICT機器の活用による人員配置の効率化が必要
財務省は5月11日、財政制度等審議会財政制度分科会を開き、少子化・医療・介護・障害福祉など社会保障制度の改革について議論した。
このうち介護では、団塊の世代が85歳以上となる10年後には介護費用が激増することが確実であり、さらに人材確保にも限界があるとして、ICT機器の活用による介護施設や通所介護等での人員配置の効率化や協働化・大規模化による多様な人員配置、介護報酬や利用者負担の見直しなどによる給付の効率化を着実に進める必要があると強調した。
介護保険制度の見直しでは、介護保険の利用者負担の引き上げ(2割負担の対象者の拡大)については、直ちに結論を出す必要があるとし、ケアマネジメントの利用者負担の導入は第10期計画期間の開始となる令和9年から導入すべきとした。要介護1・2への訪問介護・通所介護の地域支援事業への移行については、第10期計画期間の前に段階的にでも導入すべきと提言した。
サ高住での同一建物減算の導入、介護におけるアウトカム指標の強化にも言及
このほか、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)におけるケアマネジメント等の適正化や介護におけるアウトカム指標の強化についても言及した。
サ高住では、一部で入居者を不当に抱え込み、過剰な介護サービスを提供したり、ケアプランが画一的になったりする問題が指摘されている。また、厚労省の調査によると、サ高住の入居者がいる場合の利用者1人当たりのケアマネジメントの所要時間は、いない場合と比べて3割ほど少なかったとされる。こうした実態を踏まえ、ケアマネジメントを提供する居宅介護支援事業者には、「同一建物減算」を適用するよう提言、既に導入されている訪問介護などについても、一層の減算を求めた。
また、介護保険法の介護報酬では、要介護度が進むにつれて報酬が高くなる仕組みがある一方、「自立支援・重度化防止に係る取り組みへの評価が不十分」と指摘。自立支援などの介護保険法の趣旨に照らし、自立度や要介護度の維持・改善といった「アウトカム指標」を重視した枠組みに転換する必要性を示した。