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速報(JS-Weekly)
〈東京都健康長寿医療センター 〉
高齢期の健康を支える栄養ケア「タンパク質は肉で摂る」「食事のタンパク質比率を25〜35%に」
JS-Weekly No.878
#高齢期の栄養ケア
フレイル対策として積極的な食肉の摂取を
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターでは、日本ハム株式会社と行った共同研究の中で、食肉の摂取量とさまざまなフレイル関連指標との関わりを横断的に検討した結果、食肉を多く摂取している高齢者は最大歩行速度が速いことを確認した(調査対象は、お達者健診に参加した512名の地域在住高齢者)。
要介護の前段階であるフレイル対策は喫緊の課題であるとともに、フレイル対策の食事として、タンパク質を不足させないことが重要だということは知られている。しかし、「どのような食品からタンパク質を摂るべきか」に着目した研究は不十分であったが、この研究結果で、肉類の摂取が有効である可能性が示された。一般的に肉類は、年齢階級が上がるとともに摂取量が減少しやすい食品だが、タンパク質の主要な摂取源として、今後注目である。
最適なタンパク質比率は食事の25〜35%
また、早稲田大学の近藤嘉高講師ら、株式会社ニチレイフーズの青木仁史研究開発部付部長、東京大学の高橋伸一郎教授らとの共同研究では、高齢期に向けた健康の維持にとって最適な食事のタンパク質比率が25〜35%であるとした。この数値はマウスによる実験での結果であるため、そのまま人に当てはめるには無理があるかもしれない。しかし、現在の日本で13.8%であるタンパク質の摂取比率を25〜35%に高めることが、高齢期に向けた健康維持に役立つ可能性は、看過できないポイントである。