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速報(JS-Weekly)
〈厚生労働省〉
新型コロナの感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行および公費支援の具体的内容を公表
JS-Weekly No.872
#5類移行 #公費支援
感染対策の徹底、医療機関との連携強化、療養体制の確保等は当面継続
厚生労働省は3月20日、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」(事務連絡)を都道府県、指定都市、中核市の介護保険担当主管部(局)宛てに発出した。これは、3月17日に発出された「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」(令和5年3月17日付厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)の「5.高齢者施設等における対応」等について、確認および必要な対応を依頼するものである。
高齢者施設における対応
1.基本的考え方
高齢者施設等には重症化リスクが高い高齢者が多く生活しているという特性を踏まえ、対応については、平時からの取り組みを強化しつつ、感染対策の徹底、医療機関との連携強化、療養体制の確保等は当面継続する。
2.各種の政策・措置の取り扱い
①医療機関と高齢者施設等の連携
- 医療支援については、位置づけ変更後も、医師による往診等の医療支援の継続、入院が必要な高齢者が適切かつ確実に入院できる体制の整備が必要。そのため、新型コロナウイルス感染症の患者に係る往診や電話等による相談、入院の要否の判断および入院調整に対応できる医療機関の確保の取り組みをより一層強化すること。
- 医療機関との連携体制を踏まえ、地域における新型コロナウイルス感染症の流行により当該医療機関が対応できない場合には、自治体での調整により速やかに他の医療機関や医師等による対応を可能とする等といった取り組みも進めること。
②高齢者施設等内での感染発生時に対応するための備え
- 陽性者の発生初期から迅速・的確に対応するための備えの支援として、相談窓口機能の強化や電話・オンライン診療の体制構築等に取り組んできた。位置づけ変更後も当面継続する。
- 感染制御・業務継続支援チームの体制強化として、平時から地域(都道府県単位)において、感染制御の専門家と行政機関等の連携体制(ネットワーク)を構築する場合には、「医療提供体制推進事業費補助金」の「院内感染対策事業の実施について」(平成21年3月30日付医政発第0330009号厚生労働省医政局長通知)に基づく「院内感染地域支援ネットワーク事業」の活用が引き続き可能である。
③高齢者施設等での感染対策を含む施設内療養の体制
- 施設内療養を行う高齢者施設等への補助(施設内療養者1名あたり最大30万円)については、医療機関との連携体制の確保など必要な要件を設けた上で、当面継続する。位置づけ変更後は、要件を満たした施設等に限り補助を実施。なお、本補助は、今後、5類移行後の状況を踏まえて見直しを行う。
- 感染者が発生した高齢者施設等への応援職員の派遣等に対する支援、感染者に対して継続して療養を行う高齢者施設等に看護職員を派遣する場合の派遣元医療機関等への補助については、当面継続する。また、新型コロナウイルス感染症の感染地域における感染拡大防止のため、外部から感染症対策に係る専門家を派遣するための経費についても、補助を当面継続する。
④退院患者の受け入れ促進のための補助
- 高齢の退院患者の介護保険施設での受け入れ促進については、位置づけ変更後も、適切な療養環境の確保や、医療提供体制の確保の観点で重要である。
- 介護保険施設において、医療機関から、退院基準を満たした患者(当該介護保険施設から入院した者を除く)を受け入れた場合の介護報酬上の臨時的な取り扱いについて、位置づけ変更後も当面継続する。
- 都道府県においては、退院基準を満たして退院した要介護高齢者の受け入れに協力する介護老人保健施設の情報を地域の医療機関に提供したが、今後も取り組みを継続するよう希望する。
患者等に対する公費負担の取り扱い
①外来医療費の自己負担軽減(9月末までの措置)
- 位置づけ変更後は、新型コロナウイルス感染症の患者が外来で当該感染症に係る治療薬の処方(薬局での調剤を含む)を受けた場合、その薬剤費(手技料等を除く)は全額公費支援の対象とする。
②入院医療費の自己負担軽減(9月末までの措置)
- 位置づけ変更後は、新型コロナウイルス感染症の患者が当該感染症に係る治療のために入院した場合、他の疾病との公平性も考慮し、医療費や食事代は自己負担とする。ただし、急激な負担増を避けるため、医療保険各制度における高額療養費制度の自己負担限度額から2万円(2万円未満の場合はその額)を減額。
③発熱等の患者に対する検査の自己負担
- 位置づけ変更後は、抗原定性検査キットの普及や他の疾病との公平性を踏まえ、自己負担分の公費支援を終了する。