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令和7年度の介護事業者倒産、過去最多の176件
#介護事業者倒産
▶訪問介護が突出も認知症老人グループホームも急増
株式会社東京商工リサーチは1月9日、令和7年の「介護事業者倒産」件数を以下の通り公表した。
令和7年の介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産は176件(前年比2.3%増)で、2年連続で最多を更新。コロナ禍前の令和元年と比べ、約6割増。求人難15件を中心に「人手不足」倒産が29件(前年比45.0%増)と最多を更新した。
突出しているのは、3年連続で最多を更新した「訪問介護」の91件(同比12.3%増)。一方、令和6年に過去2番目の件数だったデイサービスなど「通所短期入所」は45件(同比19.6%減)、同年に最多だった有料老人ホームも16件(同比11.1%減)と減少に転じた。
訪問介護の倒産が突出した背景は、マイナス改定の影響が大きい。ヘルパー不足に加え、ガソリン代など運営コストの上昇も資金繰りを圧迫している。また、デイサービスや有料老人ホームは減少したものの高止まり状態。介護業界の倒産は令和8年も続く可能性が高い。
さらに、介護保険法が施行された2000年以降の介護事業者の倒産を集計すると、主な3業種のうち、最多は「訪問介護」の91件(前年81件)で、3年連続で最多を更新。次いでデイサービスなどの「通所・短期入所」45件(同56件)。令和4年に最多を記録し、令和7年も過去3番目の高水準となった。「有料老人ホーム」は16件(同18件)で令和6年の最多から減少しているが、過去2番目の件数で高水準に変わりはない。認知症老人グループホーム(GH)や特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など「その他」のうち、認知症老人GHが9件(同2件)と急増。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との競争や物価高、職員不足で、定員まで受け入れられないケースもある。
介護事業者の倒産原因は、売上不振(販売不振)が140件(構成比79.5%)で、約8割を占めた。利用者の獲得競争や人手不足から利用率の落ち込みが大きい。形態別では、破産が160件(同90.9%)、特別清算が14件(同7.9%)と、98.8%が再建が見通せない消滅型だった。
倒産事業者の規模は、資本金500万円未満(個人企業他含む)が128件(同72.7%)、負債1億円未満が141件(同80.1%)、従業員10人未満が142件(同80.6%)と、事業規模の小さい小・零細事業者がほとんどを占めている。
(参考資料:https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202283_1527.html)