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介護施設のマニュアル作り 「排泄ケアマニュアル」 作成の実践ガイド その2 : 手順書編

介護の現場に必要な「革新」や「確信」や 「核心」をその分野の専門家にうかがいます。


ひとつ一つの手順を確実に実施する 意味も理解してもらえる手順書に

 実際のやり方やノウハウを解説する手順書は、現場で実際に使えるものでなければなりません。どこからか借りてきた理想的な手順書が、自施設の実情と乖離していては意味がないので、まずは現在の業務フローを棚卸しし、実際にどのような手順で行っているかを書き出すことから始めましょう。

 そのうえで、現在の手順が本当に正しいのか、法的なガイドラインや専門的な知見と照らし合わせて検証する必要があります。たとえば、手袋の着用が適切なタイミングで行われているか、感染予防の観点から見て問題はないかといった点などの検証作業には、看護師などの医療専門職にも参加してもらうことが望ましいでしょう。医療的なケアの視点と、ご利用者目線に立った介護的な視点の両方を取り入れることで、より実践的で質の高い手順書が完成します。

 また手順書にも、マニュアル同様、各ステップの根拠も併せて記載することが重要です。単なるルーティンワークとして覚えるのではなく、なぜその手順が必要なのかを理解することで、状況に応じた適切な判断ができるようになります。特に排泄ケアは皮膚炎や感染症のリスクと密接に関わる行為なので、ひとつ一つの手順を確実に実施する意味を理解しておく必要があります。

 

業務の流れをフローチャートに するとわかりやすい

 実際の手順書作りには、専門機関が作成した実例が参考になります。準備段階から実施、終了後の処理まで、一連の流れがフローチャートになっているとわかりやすく、さらにイラストを活用すると、手順書を読み込んだ後はイラストをパッと見ただけで、何をしたらよいのかが理解できるようになります。

 

後片付けの方法や手順の裏付け となる参考資料なども記載

 手順書の最後には、使用した物品の適切な廃棄方法や、スタッフ自身の感染予防のための手洗い方法までを書いておきましょう。さらに、手順の根拠となるガイドラインや参考資料も明記しておくと、管理者が内容を理解しやすくなり、またスタッフに説明する際の裏付けとなります。

 

必要な時に手順を見返せるよう ポスターも有効活用

 下の2枚は、手順書としても活用できますが、ポスターとして壁に貼ることもできるように作られています。おむつ交換など、ご利用者をフェースツーフェースで介助する場合には、あらかじめ手順書をしっかりと読み込んでおく必要があります。片付けやごみ処理の方法などは、うっかり忘れたり、間違うことがないように、目につくところにポスターを貼り、作業直前に手順を確認し、正確に作業できるようにしましょう。

 専門職は伝えたいことや詳細な説明を加えたくなることが多く、情報過多になりがちです。ポスターはもちろんですが、手順書でも、それが逆に読みにくさにつながります。できるだけ文字数は減らし、誰もがパッと見て直感的にわかるような書き方にしましょう。複数の視点からの客観的な評価を行って、情報の取捨選択をするのもお勧めです。

 また施設で実際に行っているケアの写真を使用する方法もありますが、ご利用者のプライバシーへの配慮から、スタッフをご利用者役にし、必要最低限の部分のみを実写にして、イラストと組み合わせて表現する方法もあります。

 

  出典:花王プロフェッショナル 業務改善ナビ https://pro.kao.com/jp/medical-kaigo/

 

 

  出典:花王プロフェッショナル 業務改善ナビ https://pro.kao.com/jp/medical-kaigo/