〜審査員からの〜創作のコツ

エッセイはどう書く? 写真やキャッチフレーズで大事なことは?
審査員の先生に、作品づくりのコツについて伺いました。

関係性や想いが感じられる
1枚を目指す

フォト部門の審査員を務める山田真由美さんは、15年の介護福祉士歴を持ち、現在は、高齢者向けにメイクアップをして写真撮影を行うサービスを提供しています。

高齢者を撮影する際のコツや、審査のポイントを伺いました。

なにに感動し、どこを一番写したいのかを見極める

カメラ未経験でも応募できますか?

山田さん
まったくの未経験でも、コツを押さえればぐっとよい写真が撮れますよ! たとえば今回の場合、目線の高さはまず意識してほしいポイントです。モデルとなる高齢者は小柄な方が多いと思いますが、初心者さんは立ったままで撮ってしまうんですよね。それだと、上からの視線になってしまいます。高齢者の方と同じ目線で撮るだけで、ぜんぜん違う世界の見え方になります。

また、背景も意識してほしいポイントです。特にスマホで撮る場合は広角レンズで広く背景が写ってしまうので、ごちゃごちゃと物が写らないアングルを探してみてください。

なにに感動し、どこを一番写したいのかをはじめに見極める。すべて撮ろうとせずに写したい部分を強調する意識を持つといいですね。家族の手をぐっと握る指先だけでも、そこに想いや信頼がにじみでていたりするものです。

撮影のときは、「被写体ではなく自分が動く」を大切に。いろいろと試してベストな構図や表情を見つけましょう!

よい表情を撮るにはどうすればいい?

山田さん
やはり、ご家族や愛する人といるときは自然なよい表情をされる方が多いですね。好きなものを見たり、したりしているときもいい顔になります。あるポーカーフェイスのおばあちゃんに、大好きな俳優さんの映像を見せたらキラキラした笑顔を見せてくれたことがありました。その人の好きに寄り添ってみましょう。

ぱっと目を引く意外性のある作品を

このコンテストをどう活用してほしいですか?

山田さん
私自身も介護士として長く働いた経験があり、施設でお化粧をしたり写真を撮ってあげたりしていました。すると、撮影をきっかけにコミュニケーションが広がり、高齢者もご家族も介護スタッフもいきいきとするんです。介護っていいなと思える。写真をそういうきっかけに使ってほしいです。

どんな作品を期待しますか?

山田さん
ぱっと目を引く意外性のある作品を期待しています。おじいちゃん、おばあちゃんがこんな表情を見せるんだ!こんな介護の捉え方があるんだ!と感動させてくれる、介護ってやっぱりいいものだなと思える作品を選びたいです。

介護に関わるのは介護士や家族だけではありません。支える人がたくさんいる。そういう人を撮ってもいいのではないでしょうか。街の中でも、シルバーカーを押している姿、手をつないでいる老夫婦、いろんな光景に出会えますよ。

山田真由美さん

Yamada Mayumi

介護福祉士、美容師、ケアマネージャーの資格を持つ写真家。高齢者向けにメイク・ヘアセットをして写真撮影を行うサービスを提供。