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永田町&霞が関TOPICS

制度を動かす

明確なメッセージを発信し国民に安心感を

2021.4 老施協 MONTHLY

令和3年度がスタート。今回の介護報酬改定についてのQ&Aは4本発出されている(4月2日現在)。関係する内容は確認しておきたい。介護報酬改定の効果検証については、LIFEの活用状況や文書負担の軽減の効果などの調査が行われる予定。

法案・政策成立プロセス

新型コロナウイルス感染拡大を受けて発令していた緊急事態宣言の全面解除もつかの間、新規感染者が再び増加傾向を見せ、政府は大阪、兵庫、宮城の3府県に、宣言に準じた対策を講じる「まん延防止等重点措置」の初適用を余儀なくされた。東京都などでもリバウンド(再拡大)の兆候を示しているうえ、感染力の強い変異ウイルスも全国に広がりつつあり、国民の不安は払拭されないままだ。
切り札のワクチン接種もようやく高齢者から開始。だが、対象者すべてに行き渡るにはかなりの時間を要する。第4波の波を極力抑えるには、第1波から第3波の経験を活かさなければならない。3回目の緊急事態宣言となれば、下げ止まっていた内閣支持率が再び下落するのは避けられず、ウイルスとの闘いは、菅政権に重くのしかかる。
この1年余りの感染症対策の最大の教訓は、打つ手が遅れれば、事態は深刻化、長期化するということだ。さらに感染が比較的落ち着いている段階で、最悪を想定した医療提供体制を整備しておくこと。そして自治体との対話を通じた連携の強化だろう。
まん延防止の対象となった大阪や兵庫は、先行して宣言が解除されたことで、自粛疲れから行動が緩んだのも要因とみられ、東京など首都圏も同じ道をたどる可能性が懸念される。菅義偉首相は宣言解除の際、感染拡大の予兆をつかみ、再拡大を防ぐために、無症状者へのモニタリング検査、クラスターが発生しやすい高齢者施設の集中的・定期的検査の拡大などを打ち出した。医療体制の点検・整備は、各都道府県知事の役回りとなるが、政府の支援は不可欠だ。
政治的な思惑にとらわれず、国と地方自治体が一体となった総力戦で臨む。国民に安心感を与えるために、情報開示を徹底し、ブレーキとアクセルを明確に踏み分ける。そのメッセージを自らの言葉で明確に発信することがトップリーダーに求められている。(凛)

今月の修光Style

施設・事業所が連携し
運営の効率化を図ることも必要

今回お招きした宮島俊彦さんは、厚生労働省保険局国民健康保険課長や大臣官房審議官、老健局長などを歴任され、在任中は地域包括ケアシステムの土台づくりにも取り組まれました。退官後も、介護経営学会理事や日本製薬団体連合会理事長などを務められています。介護制度を知悉される宮島さんと、介護の現状や将来に向けた課題などについて意見を交わしました。

全国老施協常任理事・参議院議員 そのだ修光×岡山大学客員教授 元厚生労働省老健局長 宮島俊彦

そのだ 宮島さんが厚生労働省を退官されて以降、介護をめぐる状況は大きく変化しています。

宮島 特に介護人材の不足が深刻ですね。

そのだ 施設職員も足りませんが、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、在宅のホームヘルパー不足も危機的ですし、ケアマネジャーの不足も問題になっています。人手確保に加え、地方では高齢者の減少が始まり、利用者が減ることで事業運営が厳しくなっていくという問題も出てきています。

宮島 かつて各県でどんどん造られた50床の特別養護老人ホームの運営が厳しくなっているようです。対応策の一つとして考えられるのが、複数の施設・事業所で連携をすることです。請求事務や労務管理などを同じデータベースを用いてオンラインで処理できるようにすれば効率化が進み、その分、職員の処遇改善に回す原資も増やせます。

そのだ 国も介護現場でのテクノロジー活用について、いろいろな方策を検討しています。介護事業者には今後、科学的介護への対応が求められます。今回の介護報酬改定にもLIFE(科学的介護情報システム)の活用が盛り込まれました。

宮島 フレイル(虚弱)予防には、「あ・し・た」、つまり「あるく」(身体活動)、「しゃべる」(社会参加)、「たべる」(食生活・口腔機能)が重要だと言われています。LIFEはVISITのリハビリのデータとCHASEの口腔ケアと栄養状態のデータを統合し、これを利用してケアの質を向上させていこうというものです。介護現場には大きな力となると思いますが、ビッグデータになるまで長い目で見てじっくり取り組んでいく必要もあるでしょう。

そのだ 今後、高齢者施設では看取りへの対応も大きな課題となります。

宮島 鹿児島県のそのだ先生の施設では、看取りに積極的に取り組まれているそうですね。

そのだ 「看取りケア率100%」を達成して12年目を迎えます。素晴らしい在宅医がいてくれて、10人の看護師がサポートしてくれているからこそ、それが可能になっています。

宮島 人工呼吸器などの機械に囲まれながら最期を迎える病院に対し、高齢者施設での最期は人として自然というか、穏やかな印象があります。これからもより良い介護の実現に努めていただければと思います。

そのだ 今後ともご指導のほど、よろしくお願いします。

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