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制度を動かす

「臨機応変」か「朝令暮改」か参院選に向けて問われる首相の指導力

2022.02 老施協 MONTHLY

法案・政策成立プロセス

就任4か月余りの岸田文雄首相が、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大という大きな試練に直面した。国民の不安を和らげ、救える命を救いながら、いかに社会機能を維持していくか、トップリーダーとして指導力が試される場面だ。
岸田首相のコロナ対応は、自ら「一度決めた方針でも、より良い方法があるのであれば、躊躇なく改め、柔軟に対応を進化させていく」(施政方針演説)と語ったように、良く言えば臨機応変、裏返せば朝令暮改だろう。
その象徴は、クーポンを併用した子どもを持つ世帯への10万円相当の給付、水際対策で国土交通省が航空各社に要請した新規予約の一律停止、濃厚接触者の受験を認めないとした文部科学省の大学入試ガイドライン。いずれも世論の反発を浴び、転換・撤回を余儀なくされた。その判断自体は間違っていないとはいえ、国交省や文科省の方針決定に首相官邸がかかわっていなかったことは、霞が関官僚を掌握していない実態を浮かび上がらせた。
医療や社会機能を持続させるために、濃厚接触者となった医療従事者やエッセンシャルワーカーの自宅待機期間の短縮、軽症で重症化リスクが低い人は外来診療を受けずに自宅療養を認めるという新たな方針なども、感染者の急増やオミクロン株の特性を踏まえれば当然の措置だ。ただ、ワクチンの3回目接種スタートの出遅れ、検査キットの不足も目立ち、「最悪の事態を想定する」と言いながら、昨年秋以降の落ち着いていた「平時」の間に備えができていたのか、疑問符が付く。
次々と現れる変異株に対応するには試行錯誤はやむを得ない。この危機を克服するには、メンツにこだわらず、専門家や自民・公明両党はもちろん、野党、自治体などの知恵も集め、丁寧に説明していく度量と決断力、そして説得力が欠かせない。参院選を控え、政権の命運がかかっている。(凛)

今月の修光Style

最先端のロボティクス技術を活かした、おむつを開かなくても排泄を検知できる「Helppad(ヘルプパッド)」。今回は、この機器を開発した株式会社abaの宇井吉美さんをお招きし、介護現場で役立つ機器開発には何が必要かなどについて意見を交わしました。

そのだ修光 全国老施協常任理事/参議院議員
そのだ修光
全国老施協常任理事/参議院議員

宇井吉美 株式会社aba代表取締役兼CEO
宇井吉美
株式会社aba代表取締役兼CEO


介護現場と連携し本当に役に立つ機器開発を進めていく

排泄のチェック回数が従来の59%に減少

そのだ 介護現場が慢性的な人手不足にあるなか、政府はICTや介護ロボットを活用し業務の効率化を図ろうとしており、介護現場も役立つ機器を求めています。介護ロボットのパイオニアである宇井さんの会社が開発された「Helppad」は、どのような機器なのでしょうか。

宇井 ベッドに敷いて使うシート状の機器です。ふだん通り、おむつを付け寝間着で眠っていただくと、においセンサーが排泄を検知し、おむつ交換のタイミングを検知してくれるというものです。データを分析し、排泄パターン表を自動生成することもできます。

そのだ 現場にとって、かなりの負担軽減につながりそうです。

宇井 ある施設で実証したところ、各利用者の排泄パターンがわかるようになり、チェック回数がこれまでの59%に減少したという結果を得ています。

そのだ 他社の機器開発支援にも取り組んでおられるとお聞きしました。

宇井 ケアテックに取り組む家電メーカーやベンチャー企業の市場調査、開発を支援する活動も行っています。

超高齢社会に不可欠なケアテックが苦戦する理由

そのだ ご自身も介護現場での仕事を経験されたとか。

宇井 中学のときに祖母が病気になったことをきっかけに大学で介護ロボットを研究し、起業後の3年間、土日だけですが、小規模多機能で介護職として働きました。

そのだ 現場で自ら経験したことを機器開発に活かそうというお考えは、とても素晴らしいことです。率直に言って、現場ではこれまで介護ロボットを導入したものの、結局使わないまま放置されるというケースも少なくありませんでした。

宇井 超高齢社会に不可欠なはずのケアテックがなぜ苦戦してきたのか。介護現場への理解が十分だったのかどうか、開発サイドが受け止めるべき課題だと考えています。

そのだ 厚生労働省は介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォームを構築し、介護現場と企業のマッチングに取り組んでいます。

宇井 良い取り組みだと思いますが、特定の施設に依頼が集中し、負担が増しているのが課題です。より多くの施設が参加できるよう、良好な関係を築きながら実証を進められる仕組みづくりが必要なのではないでしょうか。

そのだ 全国老施協には約1万2,000の会員施設がありますので、ご協力できることもあるかと思います。

宇井 ぜひお願いいたします。開発者と接することで、介護ロボット等に対する見方も変わってくるはずです。

そのだ より多くの介護現場と企業の協働を通して優れた機器が生み出される、Win-Winの関係構築をめざしていきましょう。

ご要望はこちらまで

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