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自民、維新も加わり交錯する思惑 参院選に向けて連合の苦悩は続く

2021.12 老施協 MONTHLY

法案・政策成立プロセス

自民党が単独で絶対安定多数を確保した衆院選は、立憲民主党と国民民主党に支援が割れた連合の苦悩を浮き彫りにした。小選挙区ではこの両党の候補者がほぼ一本化されたものの、比例代表では共産党との連携を嫌う連合執行部が支援を統一できず、労組票の分散を余儀なくされた。
民間労組と官公労などで構成される連合は、その両者の意識の差が以前から指摘されてきたが、今回は立憲民主が限定的とはいえ、共産党との閣外協力路線を選択したことから、「組合員の票が行き場を失った」(連合の芳野友子会長)と戸惑いが広がった。
芳野会長は共産との連携を「あり得ない」と強調、「立憲民主、国民民主、連合が協力し合って戦える関係を再度つくりたい。両党の合流を今後も求めていきたい」と語るが、不信感の解消は容易ではない。議席を微増させた国民民主は、“近親憎悪”の感情も相まって、躍進した日本維新の会に急接近している。維新側も、立憲民主と共産つぶしにまんざらでもないようだ。
折しも、自民党は岸田文雄首相が、労組の主張を代弁するかのように、3%超の賃上げを経済界に要請。衆院選直前にトヨタ労組出身の候補が出馬を取りやめたのも、民間労組が与党との連携を視野に入れている表れとも言え、今後連合にくさびを打ち込む動きを強めていくとの見方もささやかれる。
一方、各地に広がる連合の組織の力は、全国政党をめざす維新にとっても魅力的だ。4年前に「希望の党」を立ち上げた小池百合子東京都知事が当時の民進党を吸収しようとしたのも、選挙の“手足”を確保する思惑があったからにほかならない。ただ、維新は痛烈な官公労批判を展開してきただけに、国民民主を介して民間労組と連携することにはリスクも伴う。分断が進行するのか、来年の参院選に向け、自民、維新が加わった駆け引きは激化しそうで、連合は正念場を迎えている。(凛)