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老施協総研「介護老人福祉施設における食事提供に対する介護報酬上の評価に関する調査」集計結果

自立支援を実現するためには適切な「報酬上の評価」が必要

2020.9 老施協 MONTHLY

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老施協総研運営委員会はこのほど、老施協総研の実施した「介護老人福祉施設における食事提供に対する介護報酬上の評価に関する調査(追加調査)」の集計結果を報告した。
「自立支援」の促進には、“いつまでも食事を口から食べる”支援が継続的に必要だ。今回の調査から、必要なコストに見合う「報酬上の評価」がされるべきことが改めて浮き彫りになった。

要介護5の利用者の約8割は主食・副食に加工が必要

特別養護老人ホームでは、入所者の重度化に伴い、多様な形態に対応するために提供する食事の手間が増加している。また、嚥下機能の低下などから介助の手間がかかる利用者も増えている。
そこで、この調査は、これらに対する介護報酬などの評価を検討することを目的に実施された。
施設が提供する食事は、利用者の「嚥下」「咀嚼」状況に合わせてさまざまな加工を施している。当然、要介護度が上がるごとに「嚥下・咀嚼共に障害あり」の割合が増加する(図表1)。
要介護5の場合、利用者の66%は「嚥下・咀嚼共に障害あり」のため、自力摂取できる利用者は13%にとどまる(図表2)。

こうした実態を踏まえ、食事介助の状況を問わず、利用者の約8割は、提供する主食・副食の食事形態の加工が必要である実態が明らかになった(図表3)。

いつまでも口から食べる――自立支援には継続的支援が必要

主食・副食に何らかの加工を行う食事形態の調整は、利用者の自立支援につながっているが、報酬上の評価は「経口維持加算」「低栄養リスク改善加算」のみだ。しかし、これらの加算は算定期間が限定的で単位自体も低く、手間と効果に見合う評価になっていないのが現状である。
特養の利用者は、嚥下・咀嚼の機能が劇的に改善することは困難で、「機能の維持」と「低下防止」が目標となる。これらの目標を達成し、自立支援を進めていくためには、「いつまでも食事を口から食べる」ことの継続的な支援が必要だ。施設内の多職種によるチームが機能し、本人・家族と継続的に課題を共有して取り組むには、必要なコストに見合う「報酬上の評価」と「手続きの簡素化」が望まれる。

調査の概要

調査対象

  • 一次調査:本会正副会長・委員長・副委員長・委員・幹事の所属法人の施設・各県代議員の所属法人の特養施設(回答70施設)
  • 二次調査:一次調査で回答された要介護3、4、5の利用者各10人(回答26施設)
  • サンプル数:要介護3(231人)、要介護4(295人)、要介護5(242人)の計768人

調査方法
メールによる調査依頼・調査票の送付および回答
調査時期
一次調査:令和2年3月 二次調査:同6月

調査結果の詳細はこちらから
介護老人福祉施設における食事提供に対する介護報酬上の評価に関する調査(追加調査)について
介護老人福祉施設における食事提供に対する介護報酬上の評価に関する調査について