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首脳介談

連携による支え合いが新型コロナウイルス禍の最後の砦となる

2020.7 老施協 MONTHLY

北海道老施協の瀬戸雅嗣会長は全国老施協の理事でもあり、厚生労働省の介護給付費分科会の委員としても活動されてきました。喫緊の課題である新型コロナウイルスへの対応や、全国老施協の組織のあり方などについて語り合いました(オンライン対談)。


せと・まさし/特別養護老人ホーム「厚別栄和荘」(北海道札幌市)施設長。北海道老人福祉施設協議会は道内の養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス含む)の会員施設約600により構成される。組織率は各種別を合わせると72%。

クラスターが発生した老健を「玉突き方式」により応援

平石 北海道における新型コロナウイルスの感染状況について、ご説明いただけますか。

瀬戸 最初の感染者が確認されたのが1月28日で、以降ずっと対応を続けてきましたから、かなり長く感じられます。昨日(6月25日)も道内で6人の感染者が出ました。一昨日は私の住む小樽市でクラスターが発生しています。

平石 札幌市の介護老人保健施設でクラスターが発生し、定員95人のうち71人が感染、17人が亡くなられ、職員も21人が感染したとのこと。その際、最後の砦になったのは施設外からの応援だったと聞いています。

瀬戸 施設を運営する社会福祉法人から応援の要請があり、北海道老施協と札幌市老施協が動いて、1か月半で延べ97人が応援に入りました。私たちは「玉突き方式」と呼んでいますが、その社福は特養を3つ運営しており、特養の職員にクラスターが発生した老健に入ってもらい、それによって人手不足となる特養に私たちが職員を派遣しました。

平石 派遣した職員はどのような方法で確保されたのですか。

瀬戸 札幌市老施協を通じて会員に依頼したところ、かなりの数の申し出をいただきました。

平石 その後、施設職員の応援体制について何か検討されたのでしょうか。

瀬戸 今、北海道と札幌市が中心になって、今回のような「玉突き支援」がいいのか、それとも施設内を完全にゾーンで区切り、グリーンゾーンには職員を派遣できるようにするのかなど、具体的な方策を検討しており、老施協も参画しているところです。

約1億円の補正予算を組み感染症災害救援事業を開始

平石 特養でも感染が発生していますね。

瀬戸 札幌市内では入居者に感染者が出た施設が1か所、職員に感染者が出た施設が3か所あります。幸い、感染は広がらず、2週間の対応で済みましたが、改めて感染症対策の大切さを実感しました。

平石 全国老施協では、名古屋や東京など感染者やクラスターが発生した施設・事業所の情報を収集し、対応についての議論を重ねた結果、今年度事業で約1億円の補正予算を組み、広域感染症災害救援事業をスタートすることを決めました。

瀬戸 全国老施協による支援が決まったことは非常に心強く感じます。防護服などは集めようとしても集まらない状況でしたから。

平石 防護服については、補正予算が決まり次第すぐに動けるよう、事前に準備を進めていましたから、間もなく発送できるようになります。これまで全国老施協は主に感染防止に力を入れてきましたが、第2波、第3波を想定し、施設で感染が発生してしまったときの対応についてもしっかり準備をしていきます。

瀬戸 実際に感染を経験した施設の生の声は貴重です。集めた情報をわかりやすく整理しておけば、いざというとき役に立つはずです。

民間事業者と議論する機会をより設けるべき

平石 北海道は全国でも会員数の最も多いブロックです。北海道老施協の会員イコール全国老施協の会員という形をとられていますね。

瀬戸 その形を納得したうえで入会していただいています。

平石 昨年6月から全国8ブロックの会長の皆さんに全国老施協の理事になっていただいています。私としては、これを柱に地域の声を組織運営に反映させて、地域に根ざした全国老施協にしていきたいと考えています。

瀬戸 まったく賛成です。都道府県にもしっかりした組織のある老施協ですから、地方から積み上げていくことができるはずです。

平石 全国老施協の運営に関して、何かご要望はありますか。

瀬戸 北海道にはデイサービスセンター協議会という別組織があり、ここに民間の事業者が多く参加しています。運営に対する考え方や手法も違うのですが、話し合うと互いに学ぶことが多いです。全国老施協も民間の事業者と議論する機会を設けてはどうでしょうか。

平石 確かに参考になると思います。民間の事業者の場合、利益を求めるという動機がはっきりしており、そのために利用者の満足度を何としても上げようという意識が明確です。社会福祉法人はそうした意識が薄いとも感じますし、どうしても守りの姿勢になりがちです。私としては、全国老施協を一人ひとりが輝き、かつチームで動く組織にしていきたいと考えています。ぜひ豊富な経験と実力をそなえた瀬戸会長に、ご協力いただきたいと思います。

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