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〈国の政策動向〉

次期介護報酬改定に向けて「介護給付費分科会」での議論が再開

2020.6 老施協 MONTHLY

令和2年第7回経済財政諮問会議(5月15日)

「新たな日常」をもとに社会の変革を進める

5月15日、総理大臣官邸で安倍晋三内閣総理大臣を議長とする令和2年第7回経済財政諮問会議が開かれた。この日の会議に先行し、5月4日、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を具体的にイメージできるよう、日常生活での実践例を示した。
これを踏まえ、安倍総理は「感染予防に十分警戒しながら、社会経済活動を回復させていく。『新たな日常』をつくり上げていくという新しいステージへと踏み出す」と述べ、「この危機を乗り越えた先の未来に向けて、社会変革を推進し、『新たな日常』を定着・加速させていく。こうした対応の方向性やそのための取り組みについて、経済財政諮問会議でしっかりとご審議をいただき、本年の骨太方針に盛り込んでいただきたい」と述べた。また、「今回の感染拡大の下でデジタル化・リモート化、AI・ロボット等の社会課題解決に資する研究開発投資の重要性が再認識された」と述べ、「これらを次期科学技術基本計画においても位置づけながら強力に推進する」とした。

第2回健康・医療・介護情報利活用検討会(5月18日)

健康・医療・介護情報の一体的な利活用を推進

厚生労働省の健康・医療・介護情報利活用検討会は、費用対効果や情報セキュリティの観点も踏まえた一体的な検討を行うために設置された組織であり、下部組織として健診等情報利活用ワーキンググループと医療等情報利活用ワーキンググループが設けられている。これらの議論の場で、本人が健診・検診情報を電子的に確認・利活用できる仕組みのあり方や、医療等情報を本人や全国の医療機関等において確認・利活用できる仕組みのあり方、電子処方箋の実現に向けた環境整備などが検討されている。
2つのワーキンググループとの合同開催となった5月18日の第2回検討会では、ここでも「特に新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、迅速なデータ利活用を進めるべき」といった声があった一方、「慎重な議論が必要」との意見もあった。

第177回社会保障審議会介護給付費分科会(6月1日)

感染症予防を視野に入れた地域包括ケアシステム推進

6月1日にインターネット上でライブ配信された同分科会では、厚生労働省がまず「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和元年度調査)」として行われた「介護保険制度におけるサービスの質の評価」や「介護ロボットの効果実証」(図表1)など7本の調査研究事業の結果を発表した。委員から特段の異論は出ず、最終報告として承認された。

次に令和3年度介護報酬改定に向けた議論では、「地域包括ケアシステムの推進」が議題とされ、「在宅限界を高めるための在宅サービス等の在り方」や「高齢者向け住まいにおける更なる対応の在り方」などの論点が示された。
小泉立志委員(全国老施協理事)は「新型コロナウイルス等の感染症の予防、蔓延拡大防止を視野に入れた地域包括ケアシステムの推進が必要」と指摘し、高齢者福祉施設および居住系施設の取り組みを充実させ、質を高めていく観点からの検討を求めた。また、ICTの計画性のある導入のために基準を設けることや、「事業継続計画(BCP)」の構築にかかる体制整備と評価の検討なども要望した。
この日はまた、厚生労働省が、介護施設等への布製マスクの配布や介護ロボットの導入支援(図表2)など新型コロナウイルス感染症に関する主な対応についても報告し、委員の間からは、介護事業所へのさらなる支援を求める声が出た。黒岩祐治委員(神奈川県知事、全国知事会社会保障常任委員会委員)は、第2次補正予算案に介護従事者への慰労金支給が盛り込まれたことを評価したうえで、「介護事業所には感染症対策で大変な労力と手間がかかっている。事業所体制加算として基本報酬に一定の割合の加算をすることを提案したい」と述べた。

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