トピックス

PICK UP POINT

〈【新型コロナ】厚生労働省がウェブセミナー第3弾を公開〉

介護サービス継続のためにも地域での連携が必要

2021.8 老施協 MONTHLY

厚生労働省はこのほど、高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症対策に関するウェブセミナーの第3弾を実施した。高齢者施設等の現場で感染症に対応する3人の医師が講師となり、ケーススタディを交えて感染防止対策の活動で得られた教訓、改善点などを語った。厚生労働省はこのセミナーを「相互理解と連携を深める機会にもしたい」としている。

コロナ禍が発生すれば速やかな現場の再構築が必要

3回目となるウェブセミナーは、「高齢者施設等における感染者発生時の対応〜福祉と保健医療の関係者の相互理解と連携によって地域を強くする〜」と題し、3人の医師が講演した。
はじめに清山会医療福祉グループ(宮城県)代表の山崎英樹氏が「発生した高齢者施設への介護の応援体制―宮城県での取組―」と題して講演。「介護は密接(密着)行為であり、施設は密集(ときに密閉)空間だ」としたうえで、「施設でコロナ禍が発生すれば、職員が一気に不足する。業務は一気に増え、共用部分の消毒、換気、頻繁の健康観察が必要になる。スタートダッシュで現場の再構築が求められる」と述べ、宮城県での職員の応援派遣の状況などを説明した。

コロナは必ず入ってくる施設内の感染対策が重要

KRICT(北九州地域感染制御ティーム)理事の山口征啓氏は、「北九州市での高齢者施設のクラスター予防 やったほうがよいこと、やらなくて良いこと」と題し、感染症専門医として高齢者施設を回った経験を踏まえ、有効な対策を解説した。

施設で今すぐできる有効な対策

山口氏は「水際対策には限界があり、コロナは必ず入ってくる。重要なのは施設内でコロナを広げないこと」と強調し、
▶4人掛けの机は3人掛けにするなど工夫して1m以上距離を取る、
▶机はつなげず50㎝離す、
▶常時換気し、窓が少ないならサーキュレーターを用いる、
▶送迎者は車のエアコンを外気モードにして窓を少し開け、車内でしゃべらない、
▶スタッフの休憩時間をずらす――
などの実践的対策をアドバイスした。

早期の発見・指導・検査で集団感染を予防する

最後に、沖縄県立中部病院の高山義浩氏が、「沖縄県における社会福祉施設の支援」と題する講演で、深刻な感染拡大が続く沖縄県での経験をもとに、介護職員の発症から観察期間終了までの流れや、入院・宿泊・施設・自宅など療養先ごとの対象者の目安などを説明した。
高山氏は「感染対策を確立しても数日で型崩れする」「施設のガバナンスが利いていないと職員が容易に離職していく」などの課題を指摘。それらを踏まえ、「集団感染の予防には、早期発見、早期指導、早期検査のすべてが必要となる」「感染症の専門家だけでなく、訪問看護、行政など多職種で支援チームを形成し、施設のガバナンスを支援していくことが求められる」などの留意点を述べた。

ウェブセミナーは、いずれも厚生労働省動画チャンネルで視聴できます

第1回(令和3年3月18日)

高齢者施設等における感染やクラスター発生時の対応
〜支援と受援の経験と教訓を共有して地域ぐるみで強くなる〜

第2回(令和3年4月28日)

療養型病院におけるクラスター発生の支援と受援

第3回(令和3年7月16日)

高齢者施設等における感染者発生時の対応
〜福祉と保健医療の関係者の相互理解と連携によって地域を強くする〜