プレミアム

いつもココロをフラットに

ストレスの雨を色々な傘でしのごう

2021.6 老施協 MONTHLY

健康社会学者として多彩な活動を行う河合薫さんが、日々、奮闘する介護現場の皆さんに、応援メッセージを贈ります。

モヤモヤ解消!やり切れなくなったら、「逃げる」もあり。我慢ばかりでは、負の効果が生まれます。

ストレスをはき出し「幸せの力」を引き出す

これまでだましだましやり過ごしてきた問題が、まるで「パンドラの箱」が開けられたようにコロナ騒動で一気に吹き出した。みなさんが働く介護現場もその一つです。人も足りなきゃカネもない。それでもおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔を見たくてふんばってきた。でも今、介護職の限界線は崩壊寸前。「逃げたい!」衝動に駆られる時もあるのでは? そんな時は、「逃げろ!」と健康社会学では考えます。だってストレスの雨にビショビショになった状態でいい介護などできるわけがないのです。あなたの笑顔がおじいちゃんの笑顔を誘い、あなたの明るい声がおばあちゃんの元気になる。逃げてもよし、友達に愚痴をこぼしてもよし、カラオケで歌いまくるもよし。「お酒は私の良き共犯者でした」とはフランスワーズ・サガンの名言ですが、ストレスから心を守ることを最優先してください。そして、雲の隙間から太陽の光が見えてきたら、再び、仕事に全力で励んでください。

ストレスは人生の雨です。色々な傘を使い雨をしのぐことができれば、ストレスは成長の糧になります。雨上がりに草木が成長する、ようにです。一方、心に雨が溜まり続けるとネガティブな感情に陥り、イライラしたり自己嫌悪したり、といいことは一つもありません。雨をはき出した心の奥底には「幸せへの力」がある。自分の半径3メートルの人達と「傘の貸し借りができる」心の距離感の近い関係を築くことができれば「幸せへの力」が引き出されます。仕事のモチベーションも幸福感も半径3メートルの人間関係に左右されるのです。

本連載では、ストレスの雨をしのぐ傘の見つけ方を様々なシーンからお伝えします。私も高齢の母に日々接し、老いとは何か?幸せとは何か?ということを考えさせられています。超高齢社会に笑顔があふれるよう筆を綴ります。

河合薫・健康社会学者(Ph.D.)/気象予報士

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究に関わるとともに、講演や執筆活動を行っている。

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