速報

〈厚生労働省〉

厚労省が2024年度制度改正に向けて議論開始 デジタル技術の活用や高齢・地域人材の活用が論点に

JS-Weekly No.824

第92回社会保障審議会介護保険部会

ポイント

① 全世代型社会保障構築会議の論点を踏まえて議論

② 利用者の応能負担など、多様な意見が挙がる


介護職員の必要数は2040年度に約280万人

厚生労働省は3月24日、「第92回社会保障審議会介護保険部会」を開催し、菊池馨実新部会長(早稲田大学法学学術院教授)のもと、介護保険の2024年度制度改正に向けた本格的な議論を開始した。
まず、厚生労働省が、「介護保険制度をとりまく状況」として改めて高齢化の進捗について説明し、介護職員の必要数は2040年度には約280万人と、19年度から69万人増えるという集計結果を紹介。また、高齢者施設における新型コロナウイルス感染症の感染者が発生した場合等に活用できる制度や、令和3年度介護報酬改定の概要などについて説明した。
続いて昨年11月9日に第1回会議が開催された全世代型社会保障構築会議の3月9日の第2回会議で提示された当面の論点のうち、介護にかかる論点である▽家庭における介護の負担軽減(介護ニーズが急増する首都圏や大都市の体制づくり、介護離職を防ぐための制度、ヤングケアラーへの対応)、▽地域共生社会づくり(孤独・孤立の対策、独居の困窮者・高齢者のすまい)、▽医療・介護・福祉サービス(デジタル技術の活用や高齢・地域人材の活用、人材育成の在り方、医療・介護提供体制改革)について説明した。「医療・介護提供体制改革」については、「社会保障制度基盤の強化に向けて、これまでの骨太の方針や改革工程表を踏まえて取り組みを進めていくべきではないか」としている。
今後、これらの論点を踏まえた議論が介護保険部会で行われる。

介護保険制度の大きな改革の必要性を提起

委員からは、介護DXの推進や利用者の応能負担に関する議論、介護人材確保を求める声のほか、「保険者は市町村のままでいいのか、広域化を含めて検討すべきではないか」といった発言など、多様な意見が出た。
全国老施協の桝田和平介護保険事業等経営委員長は、介護人材の不足に加えて新型コロナ感染症への対応も重なり、疲弊している介護現場の現状を訴えたうえで、「地域によって事情に大きな差がある。一部過疎地では高齢者の減少がすでに始まったが、大都市部では急激に高齢者が増える。地域の状況を踏まえた対応も一つの考え方ではないか」と指摘。また、「65歳を過ぎても現役で働いている人が増えている。第1号被保険者という概念についても検討していくべきではないか」と問題提起し、「介護保険制度を大きく改革する時期ではないか」と意見を述べた。

参考資料