速報

〈コラム〉

認知症BPSDケアプログラムにおける取り組み実践事例⑦

JS-Weekly No.821

「3つのポイント」

BPSDケアプログラムインストラクター 善福 章仁
有限会社ロングレンジ・ビュー 統括マネージャー

第7回コラムでは

前回までのコラムは、「ケアプログラムを実施する上での4つのステップ」について1つずつ取り上げてまいりました。
今回のコラムでは、東京都にて先行的に実践されてきた施設におけるケアプログラム実施後の結果や、令和元年度老健事業においての検証結果について、東京都医学総合研究所の結果及び効果を記載させていただいております。

先行実施施設における実施後の結果について

東京都では先行的にBPSDケアプログラムを実施しており、ケアマネジャーにも参加いただいておりました。その中で、施設のみならず、在宅でも効果があることが示されております。(図表1)

令和元年度の老健事業「認知症BPSDケアプログラムの広域普及に向けた検証事業」

また、東京都医学総合研究所は、令和元年度の老健事業「認知症BPSDケアプログラムの広域普及に向けた検証事業」において、BPSDケアプログラムによる行動・心理症状の改善について検証を行いました。その中で、特に「特別養護老人ホーム」において、行動・心理症状の改善効果が大きく見られることが結果としてあらわれております。(図表2)
なお、BPSDケアプログラムは、症状の重い人ほど効果がでやすいことがわかっているため、BPSDの重度の方にも十分に適応することがわかっています。

資料参照:「行動・心理症状(BPSD)に着目した認知症ケアのアプローチ」東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センター 西田 淳志 氏

パーソンセンタードケア、ユマニチュードケアなど、多くの認知症に対するケアが導入されています。それらすべてに共通することは「その人を尊重する」ことではないでしょうか。私たちが行う日本版BPSDケアプログラム(以下、当プログラム)では、アドミニストレーターが中心となり、多職種の職員が共同し、対象となるその方が、私たちに対し何を訴えようとしているのかの原因を探るための話し合いが行われます。
ここで大切になってくるのが、対象となるご利用者様は当然ながら、「職員も尊重する」という事です。当プログラムでは、NPI評価を行う際の前提条件として[点数をつける際の判断に迷ったときはより重症度の高いほうに重きを置く]となっており、些細な「気づき」や「意見」であったとしても見過ごすことなく重要視ししていく事になっております。
八王子市役所から車で10分程度のところに、弊社が運営する「デイサービス翼」が御座います。男性の方はプライドも高く女性の方に比べると新しいグループの輪に入ることが難しいとされていますが、ここでは、利用者の8割~9割の方が男性。職員も若手からベテランまで幅広く在籍しておりますが、このBPSDケアプログラムを行うようになってから、目の前のケアをこなす事が最善であると思っていた職員が、ケア計画に基づいてのサービスの提供を行う事で改善していくご利用者様の変化に驚き、日頃からご利用者様の些細な状態を注視するようになり、話し合いの場でも積極的な発言が見られるようになりました。
組織というものは、命令や規則で長続きするものではなく、強制で動かしても絶対に上手くいくはずがありません。一人一人の個性や考え方、価値観を尊重し、勇気と希望をあたえ、喜びも苦しみもわかち合ってこそ、チームとして団結ができ成長していけるのです。