速報

〈コラム〉

認知症BPSDケアプログラムにおける取り組み実践事例④

JS-Weekly No.818

第4回コラムでは

本号では、前回( Vol.817( 2022年2月10日) )掲載コラムでの、「① NPI評価尺度を用いたBPSDの『観察・評価』 」の次のステップとなる、「背景要因(ニーズ)の分析」について記載しております。

「背景要因(ニーズ・苦痛)の分析」 について

このステップは、最も重要なステップとなります。
ここでは、行動・心理症状の背景に繋がりやすい23項目のチェックリストについて、チームで確認していきます。
回答が「はい」となれば「ニーズがある」ということになり、「いいえ」となれば「ニーズはない」という判断になります。
このチェックリストについて確認していく際に、複数「はい」にチェックがついた場合、その中でも、どの項目がその方の苦痛の原因として大きいのか、優先順位について議論していきますが、この優先順位をつけ、絞り込んでいくプロセスが重要となり、この絞り込んだニーズに対してどのようなケア計画を立てていくのかという部分が、次のステップ3になります。


「あなたに伝えたいこと」

BPSDケアプログラムインストラクター 大橋 義男
昭愛会 水野記念病院 水野指定居宅介護支援事業所 主任

何かに困っているあなたが予期せぬ行動をとると、私は「問題行動」を起こす人という目であなたを見ていました。そして、私はその行動を抑制することばかりを考えていました。きっと、あなたの行動は支援者の困りごとになると私はイメージしていたからだと思います。その考えが当たり前になっていたことで、あなたではなく行動だけを見ることが私の習慣になっていたと思います。
しかし、あなたの行動を「行動・心理症状」という視点で考えるようになってからは、あなたの行動には意味があると思えるようになりました。「行動・心理症状」とは“周囲の不適切なケアや身体の不調や不快、ストレスや不安などの心理状態が原因となって現れる症状”のようです。それがわかったとき、問題があったのは私の方だったと気づくことができました。 あなたは、認知症になったことであなたらしく脳が働かなくなり、自分の感じていることをうまく表現できなくなってしまったのですね。周囲から見れば「なんで?」と思う行動には、あなたが不快に感じている「何か」が潜んでいたんだと私は理解できるようになりました。
私は「行動・心理症状」の本質がわかったことで、あなたの行動を「観て」その思いを「想像する」ようになりました。そして、あなたが安心する接し方を「創造」してから、あなたを「看られる」ようになってきました。
私は、認知症ケアプログラムに出逢うまであなたと接することを怖がっていました。きっと、私にあなたを理解しようという気持ちが欠けていたからだと思います。だけど、今は違います。私はあなたを受け入れる準備ができています。

~ 私たちが出来ることは、未来のあなたへの準備です。私たちが行動に移すことで未来のあなたである私たちが安心して過ごせるときを迎えられるはずです。多くの人に認知症ケアプログラムを活用していただくことで、認知症介護の未来は明るくなると信じています。~