速報

〈コラム〉

認知症BPSDケアプログラムにおける取り組み実践事例②

JS-Weekly No.816

認知症BPSDケアプログラムとは

Vol.815( 2022年1月28日)掲載のコラムでは、認知症BPSDケアプログラムの簡単な概要をお伝えしましたが、今回は、ケアプログラムの具体的な実施内容等についてご確認いただければと思います。

認知症BPSDケアプログラムの実施の流れ(図1参照)

ケアプログラムを実施する上で、「アドミニストレーター※養成研修」の受講が必要となり、研修修了をもってアドミニストレータ―となり、オンラインシステムの導入が可能となります。
このオンラインシステムを用い、アドミニストレータ―を中心にケアスタッフの皆様で、① NPI評価尺度を用いたBPSDの「観察・評価」、②「背景要因(ニーズ)の分析」、③ ニーズを踏まえた「ケア計画」の策定、④ 計画に基づくケアの「実行」の4つのステップを繰り返しながら、症状の改善およびさらなるケアの質の向上を図っていきます。
※ アドミニストレータ―: BPSD 認ケアプログラムを介護現場で中心的に運用する役割を担うスタッフ

NPIについて

NPIとは、認知症BPSDの頻度や重症度などを客観的に評価する国際的な尺度のことを言い、「不安」「気力・無関心」「うつ」など12の行動・心理症状を包括的に評価するものです。(図2参照)


「BPSDケアプログラムに取り組んでみて」

BPSDケアプログラムインストラクター 加藤 治也
社会福祉法人清心福祉会 指定居宅介護支援事業所さにゅう 所長

居宅のケアマネジャーとしてこのBPSDケアプログラムに関わらせていただきました。
今まで私は認知症の方の行動・心理症状は病気からくるものなので改善するのは難しいと考えていました。
しかし、このプログラムと出会ったことでその行動の背景には原因があり、その満たされない思いをケアに関わる方々で推測し、ケアスタッフ全員が同じように接することにより、結果が変わってくることを学びました。
このケアプログラムの良い点はNPI評価による12の行動・心理症状を数値化し、可視化することでまずは職員全員でその利用者の満たされない思いについて共通の認識を持つことができます。
そして、その中で一番高く点数が付いてしまった行動・心理症状の背景要因は何かを関係する職員で話し合います。この作業がケア計画を考えるうえで非常に重要なステップになるのですが、背景要因を介護職、医療職それぞれ別の視点から考えることで新しい発想が生まれてくることがあります。
私もデイサービスの介護職員、看護職員が一人の利用者に関して共通のツールを使って経験、職種に関係なく話し合う場面に立ち会わせてもらい、職場の一体感を感じることができました。
そして、皆で考えたケア計画を皆で実行し、うまくいかなければまた皆で話し合いをして計画を練り直す。これを繰り返すことで利用者のニーズも満たされ、同時に職員のスキルアップにつながり、ひいては魅力ある事業所になるのではないでしょうか。