特集

キラリ施設紹介

社会福祉法人南幌福祉会 特別養護老人ホーム南幌みどり苑

2021.5 老施協 MONTHLY

ビジョンを共有する仲間とともに人材定着に向けた業務改革を推進

人材の確保・定着・育成に向けて明確なビジョンを設定し、現場主導によるさまざまな業務改革を意欲的に進めてきた特別養護老人ホーム南幌みどり苑。利用者と職員双方にとってより良い施設づくりに邁進中です。

「good楽っく!!委員会」の活動の一環として、利用者と町内の散歩や町外のバラ園に出かける

進むべき方向性を固め仲間づくりを開始

自分や家族が入所したいと思える施設づくり、そして自分や仲間が働きたいと思える施設づくり——。社会福祉法人南幌福祉会特別養護老人ホーム南幌みどり苑が大切にするビジョンに位置づけられる行動指針の一節です。同法人では、基本理念、基本方針、行動指針を“ビジョン”として職員が共有し、その実現に向けて一丸となって取り組んでいます。
法人の設立は1983年。定員70人の特別養護老人ホームとデイサービスセンター(定員25人)、居宅介護支援事業所などを構え、長く地域で親しまれてきましたが、ビジョンを明確に位置づけたのはわずか4年ほど前のことです。
その牽引役は、当時の業務係長で現在は施設長の佐久間竜太さんで、次のように振り返ります。「当時は人材不足が常態化しており、職員は常に余裕がなくモチベーションも低いため、ケアの質は低下するばかりでした。とても利用者さん本位とは呼べないような職員都合のケアが行われ、役職者も直接介護の業務に入らなければ回らないような状態に陥っていました」
解決策を模索するなかで気づいたのは、法人のビジョンを明確化する必要性でした。21歳の入職時から現在のビジョンと通じる志を秘めてきたという佐久間さんは、それを改めて文章化し、業務係長として担当した事業計画に織り込むことにしました。
同時に着手したのが、仲間づくりです。「利用者さん主体のケアの大切さを理解できない職員もいました。それならば、ビジョンに賛同してくれる仲間を募り、新しい組織に生まれ変わろうと考えたのです」と、佐久間さんは説明します。
その結果、2016年に現在は業務統括主任を務める高正和明さんが、19年に現在の業務係長で生活相談員兼ケアマネジャーの島由樹さんが他法人から入職しました。島さんは、もともと知り合いだった佐久間さんから事業計画書を渡されて仲間入りを熱望された一人です。「施設のあるべき姿が明確に打ち出された事業計画書に惚れ込みました。今はビジョンを現場にしっかり浸透させて、職員一人ひとりのマインドチェンジに意識して取り組んでいます」と話します。同じく仲間の一人として入職した庶務係長の山﨑博司さんも、「方向性が固まって、ようやく職員全員の足並みがそろってきた状態です」と言います。
こうした仲間づくりへの働きかけは、中途採用だけではなく、実習生に対しても行われました。同施設は当時、学生の間で「実習に行きたくない施設ワースト3」とささやかれ、敬遠されていました。新卒で入職した介護副主任の関谷風磨さんもそうしたイメージを持っていましたが、「実習のなかで佐久間現施設長の熱意に触れて、『自分も一緒に介護を変えたい』と思い入職しました」と語ります。

社会福祉法人 南幌福祉会 ケアカンファレンスで他職種と小まめな情報交換を実施

「利用者の幸せ」を第一に多彩なアイデアを考案

こうして少しずつビジョンを共有する仲間が増えていくにつれて、業務改革も広がりを見せていきました。
象徴的な取り組みの1つが、島さんを中心とした「good楽っく‼委員会」の活動です。「利用者の幸せを実現する」「職員の楽しみややりがいにつなげる業務改善を進める」ことを目的とする同委員会のもと、サービスの質の総合的・継続的な向上を図るTQM委員会は「利用者さんの生活の幸せ」を実現する取り組みを進めました。以前は寝たきり状態の利用者が大半でしたが、外出機会を増やそうと、少なくとも毎日10人の利用者が散歩を楽しめるような体制を整備。折り紙クラブや映画上映会などの活動も始めました。

TQM委員会メンバーで、活動のテーマ選定から評価・標準化までの取り組みを進めた

また、自立支援推進委員会も、利用者の「自立・自律」に対するマインドを変えていくための「Stand Up研修」による知識・技術の向上や、『月刊Stand Up通信』を通じた情報発信など、活発な活動を展開しています。効果は着実に表れており、要介護3の利用者のADLが改善し、在宅復帰を実現したケースもあります。
もとは管理職による業務改革が次第に現場主導の取り組みへと広がっていることも、大きな収穫です。関谷さんは、介護のネガティブイメージである3Kを払拭した新3K(感謝・感動・カッコイイ)を伝える『介護レンジャー』の企画ほか、名札の裏にビジョンを記載したカードを手づくりするなど、新しいアイデアを次々生み出しています。

特別養護老人ホーム南幌みどり苑の取り組み

こうした改革は、事務・管理部門にも波及しています。「職員が働きやすく、利用者さんが快適に暮らせる環境づくりには、財務や管理部門の役割が欠かせません。そのための体制整備に努めているところです」と山﨑さん。佐久間さんも、「職域を超えた協力ができる風土は重視しつつも、役割の明確化は不可欠だと思います。そのため、今では業務基盤、人材基盤、管理基盤、風土基盤、財務基盤といった5つの側面から、どうしたらビジョンを実現できるかを考えています」と説明します。

SNS等を積極活用 人材採用・定着に効果

ビジョンを達成するための数々の取り組みや施設の日常は、ホームページをはじめフェイスブックやYouTubeにより逐一発信しています。「SNSを見て応募してくる人も増加し、定着率は上がっています」と山﨑さん。SNSを通じて、事前に施設の雰囲気や方向性がわかることで入職後のギャップも少なくなり、定着にもつながっています。
佐久間さんは、「職員の能力を最大限に引き出せる施設でありたい」と、さらなる改革に意欲を示します。

SNS等を積極活用 人材採用・定着に効果

社会福祉法人南幌福祉会

社会福祉法人南幌福祉会
特別養護老人ホーム(定員70人)、ショートステイ(定員8人)、通所介護(定員25人)、居宅介護支援事業所
北海道空知郡南幌町元町2-2-2
TEL:011-378-1556 FAX:011-378-1526
https://www.n-fukushikai.or.jp/
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