特集

キラリ施設紹介

社会福祉法人芦別慈恵園 特別養護老人ホーム 芦別慈恵園

多世代の人材を活用し 魅力あふれる介護を発信中!

10代(高校生)から70代(高齢者)の地元人材が活躍できる体制づくりに励み、人材確保を図るとともに、介護の魅力を地域に広めています。

芦別慈恵園で働くキーパーの方々

25人の「キーパー」が在籍し 介護職のケアをフォロー

北海道中部に位置する芦別市は、人口約1万2,500人、高齢化率47.5%(いずれも令和3年9月末現在)で、2040年には人口が半減すると推測されています。深刻化する少子高齢化による人材不足という課題に直面し、社会福祉法人芦別慈恵園の特別養護老人ホームでは多世代の人材が活躍できる仕組みづくりに意欲的に取り組んでいます。
その一つが、食事の準備や後片付け、シーツ交換、ユニットの見守りといった間接介護を担う「キーパー」と呼ばれる人材の活用です。2017年から導入し、現在、10代から70代の25人ものキーパーが在籍。基本的に各ユニットに2人程度のキーパーを固定配置していますが、別のユニットや法人内の他の事業所で急遽職員が不足する日があれば、ヘルプ要員として派遣するなど柔軟に配置を変更しています。
「以前はなかなか人材が定着せず、『人手が足りない』が口癖になっていました。それを打開したいと導入し、今では呼び名どおり“ユニットを守ってくれる存在”として活躍してもらっています」と、同法人の理事で総合施設長の川邊弘美さんは説明します。
キーパーがいることによって介護職はケアに専念することができ、業務負担の軽減につながっていますが、特に食事場面ではその効果を実感するそうです。同施設は川邊さんが管理栄養士でもあることから食の取り組みにとりわけ力を入れており、最期まで口から食べる支援を実践するため、食事は1日のなかでも貴重なケアの時間となっているのです。
「それまで食事の時間は、介助や見守り、洗い物などあらゆる業務を職員が必死にこなしている状態でした。でも、キーパーさんがいてくれるようになってから余裕を持って一人ひとりの介助ができるようになり、全体への目配りもより行き届くようになりました。『見ておくから大丈夫』とキーパーさんに声をかけてもらえることで、職員の精神的ゆとりも生まれています」と、まちづくり事業部業務係長の鈴木章夫さんは話します。

高齢化と歩む「芦別」の人材活用

適性や希望に即した柔軟な働き方が可能

キーパーの募集は広報誌やホームページで行ったほか、川邊さん自ら地域住民をスカウトし、初年度は3人からスタートしました。導入に際しては、もともと夜間専門パートなどの短時間かつ業務特化型の人材を活用し、職員が効果を実感していたことから、抵抗感なく進められたといいます。先輩キーパーは新人キーパーの指導にも熱心で、「この年になっても働ける場所があるのはありがたい」「必要とされることがうれしい」という声が多く、導入から4年目となった現在もほとんど退職者は出ず、この大所帯となったのです。
キーパーは、正職員に登用する前に施設の雰囲気に慣れてもらう試行的な職種にもなっています。キーパーから介護職員初任者研修を取得して嘱託になるケース、あるいは介護職員処遇改善加算の対象となるまでステップアップしていくケースもあるなど、一人ひとりの希望や適性に即した柔軟な働き方が可能となっています。鈴木さんは「キーパーさんそれぞれの要望に沿いながら、負担を感じないよう役割をステップアップさせていければ」と話します。

地域食堂でおしゃべりする地域住民/法人の理事で総合施設長の川邊弘美さん/まちづくり事業部業務係長の鈴木章夫さん/身体のバランス感覚が養われ、転倒予防にもなる「ふまねっと教室」

10代の高校生も活躍 多彩な地域活動を展開

キーパーのほか、高校生の有償ボランティアが活躍するのも同施設の特徴です。背景にあったのは、仕事への理想と現実のギャップを埋めたいという思い。市内唯一の高校からの新卒者は、施設や地域の将来にとって欠かせない若手人材です。「せっかく採用となっても、イメージしていた介護の仕事と違うといって辞めてしまっては、お互いのためになりません。短期間のインターンシップでは介護の大変さや奥深さまでは伝わり切らないため、一年を通して仕事を体験することで将来を考える機会にしてほしいと願っています」と川邊さん。
同施設では、このような高校生はもちろん、地域住民からも選ばれる“企業”であり続けられるよう、委員会活動や食などを通じたさまざまな活動にも意欲的に取り組んでいます。委員会は、マッサージや爪切りの技術を高める研修会「もみ塾」や口腔ケア委員会をはじめとした7つの活動を展開中です。地域活動も盛んで、脳の健康教室「えがお塾」やネットを使った運動教室「ふまねっと教室」には多くの地域住民が参加しています。地域食堂や配食事業を通して地域の食支援にも注力しており、厨房の一角に設けたそば打ちコーナーで川邊さん自ら振る舞う手打ちそばは、職員や住民に評判です。
こうした数々の取り組みについては、できる限り見える化・見せる化し、趣向を凝らした情報発信にも努めています。
「広報誌や書籍の発行をはじめ、ホームページやSNS、YouTubeなどを通じた、多世代に響く魅力にあふれた情報発信を意識しています。職員みんなが営業マンとなって、介護のマイナスイメージを払拭していきたいです」と、鈴木さんは力を込めて言います。
「新しいことに取り組むのは楽しい」と笑顔を見せる川邊さんも、「芦別でたった一つの特養として安定した経営基盤を築くのはもちろん、市民を巻き込みながらまちづくりにも貢献していきたいと考えています」と抱負を語ります。

石田大輝さn/鈴木悠司さん

社会福祉法人 芦別慈恵園 特別養護老人ホーム 芦別慈恵園

社会福祉法人 芦別慈恵園
特別養護老人ホーム 芦別慈恵園

(定員)
ユニット型:36人
従来型:36人
相互利用・ユニット型:2人
北海道芦別市旭町28
TEL:0124-22-2566 FAX:0124-22-1482
https://ashibetsu.or.jp/